manatsu monogatari by lmnrz published on 2024-03-31T14:40:49Z for Dance & INM Compilation vol.1 ----- 「イキスギィ。イクイク。ンアッー。」 「枕が、デカすぎる。」 戦場ヶ原は口ずさむ。 至極楽し気に──しかしいつもの通りの、平坦な語調で。 「戦場ヶ原── 淫夢はもうやめてくれ。 直江津では淫夢ごっこは恥ずかしいことだ。お前もよく知ってるだろう。」 「おっ大丈夫か大丈夫か。バッチェ冷えてるわよ。淫夢は怪異の間でも流行ってるって。はっきりわかんだね。」 一瞬、敢えて嫌がらせのつもりでそうしているのだろうか、とも思った。 が、どうやら。 僕の彼女は、僕の知らない間に、俗に言う淫夢厨とやらに、なってしまった── それだけのことらしい。 その証拠に、とは断言できないが、戦場ヶ原の目線は僕の方角に向けられてはいない。 空の方を見ていた。 真夏、という言葉は今から数カ月後の時候を指す。 今は梅雨。 戦場ヶ原の見る空は、曇っている。 その窓から入り込む湿気た風で、彼女の髪が緩やかに揺れた。 「はぁ。」 僕は呆れて、少しため息をつく。 数か月前の僕は、低俗なインターネットミームにホイホイと興じる『戦場ヶ原ひたぎ』の姿など想像だにしていなかった。 いや、想像していたのかもしれない。 そのような想像は想像のままだと思っていた、と表現する方が正確だろうか。 「やりますねぇ。いいよ、こいよ──。」 ──考える僕をよそに、彼女は続ける。 しかし、破廉恥なホモビデオの言葉を、恥ずかしげもなく反復しているその唇は、さながらバターナイフのように滑らかで、鋭い曲線をたたえて、いじらしく光っている。 キレイな女。 蠱惑的で、煽情的な女。 意思のある女。 重い、女。 淫夢厨であるとか、ないとか、そういう表面的なものとは無関係に、戦場ヶ原は戦場ヶ原だ。 窓を見つめる彼女を見つめる。 「──やっぱ、好きなんすねぇ。」 僕はぽつりとつぶやいた。 「阿良々木くん、何か言ったかしら。」 おっと。 聞かれてしまっただろうか。 「いや、なんでもない。それより、もうとっくにこんな時間じゃないか。」 「......そうね。じゃあ帰りましょうか、阿良々木君。」 僕は、咄嗟に話題を逸らしてみた。 別に聞かれたって── どうということはないのだが。 Genre Dance & INM Comment by professor._.x やばばばばば 2024-05-25T23:37:15Z Comment by mjtda 🔥 2024-04-13T15:50:28Z Comment by DJ伊藤萌 やばすぎる 2024-04-05T04:40:50Z Comment by kivattous omg 2024-04-03T16:10:05Z Comment by あ2 banger 2024-04-01T14:09:56Z Comment by Tmed awesome 2024-04-01T08:10:14Z Comment by Jazzputin Woah 2024-03-31T15:25:59Z