合金樹林 Feat. 暇野鈴 by 飯澤遥土 published on 2022-11-04T02:09:00Z 詩:暇野鈴 作詞:獏・暇野鈴 作曲:獏 声:暇野鈴・えみるん・ミリアル(Voiced by coefont.cloud) 歌:獏 合成樹林 <詩> おめでとうございます!(おめでとうございます) ひとたびの喝采 また産まれたのだ、鉄塊の群生がわずかに 「きょう、ビルがはえました!」 天にゆく ゆくりゆくめくる高らかな掲示の一端、が耳骨を揺らす ぐわら ぐわらら 平衡も栄光もすべてその手の中におさめた、 つもりでいらっしゃる 楼閣を駆けてゆく子どもたちが見える、なにも欲しがらない顔をしている (パパ、あれがびるの幼体?)(そうだ よく見えるだろう) これはひょっとすると、時代の籠児やもしれないぞ!親の淡い観念が かつて高層に怯んだ小さな足、かれらの、かれらの生き写しと相、似する 精密な螺旋が、子どもたちが、まるみを帯びた抽象に置き換わって、 どうして時代の羊水をふくませたそれは それは 無垢 で 愚弄のように グロテスク! なのだろう 〝硬質・緻密が最良!〟 (はじめてのビルの作り方 電子可逆広告より) 不釣りあい をよく知る 子どもたちは時 に ばかのフリをして やはりこのタテモノの生育を日記する (はじめての母性だ、慈しみだ) このクニでは アサガオ より ビル が人気です と 異常気象めいた声を アナウンサーが響かせはしたが 訃報にかき消されたきり で、 不通不、 ツーーーーーーーーーーー。 ぐわら ぐわらら 絶えず脳を閃する記号が冷たい (血肉もいずれこうなる) 〈おれ〉はそれで行く末を知っている 最近、フライパンが錆びた クギが折れた 「きょう、ビルがはえました!」 ので、知っているつもりだ ええ、結局 つまるところ 総じて とどのつまり ばかは〈おれ〉です たのしみ、のために土壌を買った〈男〉/〈おれ〉は アサガオを植える、 (つもりでいらっしゃる、つもりでいらっしゃる) <歌詞> フリーク 再起不能まで群がって 有機体は いつも同じなの? 避けようのない 磨耗には目を瞑って 有機体は いつも同じなの? 耐火の樹海は 琥珀めいた遺影だ 狂気は溜まり 逸脱の摩擦が穿った梲からの悲鳴が 連鎖へ堕とした ひとり またひとり 連れていく先の次元より