詩の朗読「ああ、絶望死! 父さんを灘岡警察に売ったのは僕です。灘岡獄中父さん縊死事件……KING BOY KILLING YOU」竹下力 by 竹下力 published on 2023-02-27T11:59:11Z 八百の夜ファックしたい冬鴉 辞世の句:竹下勲 ひび割れたコンクリ壁に背をかけて。 足裏シロシロ覗かせてタオルを首に一丁! 白夜は明けることなくカラスが泣いている。 黒い銃弾が真っ白い空に飛んでいく。 BANG! 悲しくならないで。 気持ち良くなりたい時に気持ち良いことをしよう。 それは起こり得るから起こり得るんだ。 ファックはファックなままに……きっと自由になれるよ。 僕は母さんを愛している。だけど灘岡町会議員の花井花子は僕を愛してくれないんだ。父さんを愛しているから。 だって父さんの方が毛沢東的に禿げた革命的だって言うんだもの。 父さんがグロック17一丁、三好総理大臣暗殺未遂事件で逮捕されたのに? 僕は君をファックして黒い爆弾になりたいから父さんを警察に売ったんだ。 言わずもがな、灘岡の2月の終わりはかならず白夜がやってくる。 その日はどういうわけか灘岡で雪が積もる。 僕の足跡はいつの間にか消えて真っ白な夜道に漂白されたスペルマが凍って精子が父さんの吐いたゲロみたいになるなんてバカみたいだよね? 起こり得るから起こり得るんだよ。 僕は君をファックして黒い爆弾になりたいから死ぬんだ。 僕は白夜の空を見つめながらシコシコすると気持ちいい。 悲しくならないで。 気持ち良くなりたい時に気持ち良いことをしようよ。 だからなんだって起こり得る。 もう起こり得ないほどに。 そんな夜は決まってベッドの中にいて母さんに足を掴まれている。 ねえ、私をペロペロして……あなたは父さんみたいだわ! だって父さんは……獄中で縊死したじゃないか、母さん! お前、親父をポリ公に売って、花井花子の入浴を覗き見て由美かおる的な感じでオナってただろ! 母さん! 耐えられなくて鉈で首をちょんぎって殺しちゃったんだ! あんた! 愛している! あんたもひび割れたコンクリ壁に背をかけて。足裏シロシロ覗かせてタオルを首に一丁! ああ、絶望死! 灘岡炭鉱のトロッコに押し込んだからバレないよ、今日は雪だし、僕の足跡も消えている。 でも……彼女の首は……首は……縊死できないように冷凍庫に……。 それって革命的だろ? 僕は毛沢東よりも革命家だぜ。 だけどああ……母さんのアソコはコーンフレークの味がする。 生きたい! などと口走り、コーンフレークに牛乳、口角から弾き飛ばし、白夜の終わった朝はなぜ寂しいの? 父さんが死んだ日に、花井花子も死んじゃったから? その同一性! ああ、違うんだ。 すごく悲しいけれど、父さんが凍った日に、花井花子もカチコチに凍っていた。 僕はトロッコの中の花井花子を見つめたけれど、首がないことに気づいた。 母さんが冷凍庫を開けてギャっと叫ぶまで。 お前なんてそれでペロペロさせてろ! 久々の青空にカラスが泣いている。 黒い弾丸は青には似合わないよ。 気持ち良くなりたい時に気持ち良いことをしようよ。 それは起こり得るから起こり得るんだ。 ファックはファックなままに……きっと自由になれるよ。 花井花子は掘り出される石炭とともにエネルギー革命を起こすだろう。 そう思うと僕はなんだかトロッコの花井花子の死体にBANG!なんてやっちゃうんだぜ。 僕を逮捕したいですか? 父さんを売って、花井花子の首をちょんぎった僕に。 白夜の夜には僕はKING BOYになるってだけでさ。 KILLING YOU! 八百の夜ファックしたい冬鴉 辞世の句:竹下勲 Genre Dance & EDM