詩の朗読「ミサイル輸入する母さんが死刑囚になって僕をレイプしたその日に……すでに絶望は内面化して帯状疱疹的柘榴になって成層圏から灘岡に被弾する」竹下力 by 竹下力 published on 2023-02-09T11:53:58Z 僕はすべての信用を失ったとしても君を壊したくない。 嘘だよ! 君を壊しまくりたい! だって虹が煌めくのを忘れた出刃にしか見えないんだ。 だから僕は焼身自殺したくなる。お願いだから僕に灯油をかけて燃やしてくれ。 僕の主義と主張を消してくれ。すべてが消えていくように……。 君みたいになりたいと想いながら。君を壊したい! メチャクチャに。 そうすれば、すべてが壊れ、すべてが燃えて、すべてが遠くで撃ち鳴る戦争犯罪人のピストルの弾丸になって、僕は自殺しながら虐殺をしたってことだから。 だったらミサイルを何万発撃ち込んだって硬直した猿の死骸がシックスナインをしているだけじゃないか。 どうせもうみんな死んでいる。 誰が生きている? 誰が悪い? 誰が間違っている? すべてが僕のすべてが死んでいて悪くて間違っているんだ。 武器輸入商の母さんが僕をレイプしたからと言って僕は愛してない訳じゃないよ。 炭鉱のトロッコの中で柘榴の真っ赤に爛れた性器を舐めさせられたからって母さんは喘いでない! 悲しい事実。母さんの性感帯はウジのように凍っている。 僕は孤独じゃない。ひとりぼっちなだけなんだ。 だって、母さんにレイプされている間に僕が喘ぎ声をあげないままビンタされたって僕は泣かなかった。 ファックな感覚は消え失せて、僕は死の舞踏にまとわりつく骸骨の群れと踊っていたから。 僕の頭の中にいる戦争犯罪人の死者達はみんな語りかける。 死んだ人たちは死んだ人たちなんだから。 僕は誰も信じられなかった。僕は誰も愛することができなかった。 母さんの性器は潮を吹くたびに氷のようにゼロを形造り、成層圏の死の頂でオナって小便をしたら豚どもが飲み干すと思っていたのに、母さんは電動コケシを僕の肛門に突っ込んで笑うようになってしまって。 アハハ! なんて真面目なケツの穴だ! 僕はレイプされたいと思っていたし、だから父さんが花井花子とソープランド「灘岡」でヤっていても許していたのに。 僕はすべての信用を失ったとしても君を壊したくない。 だけどもう遅すぎる。君は壊れてしまったから。 だって壊したのは僕だから! 僕はどんなに頑張っても君になれない。 僕には何もない。 僕の焼身自殺は子宮の暗部で蠢く追い剥ぎになって盗んだのはただの自殺への言い訳になるのなら僕は救わなくちゃいけない。 吐く息は白く。刑場への道は雪で埋まっている。 死刑台のギロチンにはすでに母さんが首をいれている。 父さんは残酷な顔をしながら雪まみれの死刑執行人の強欲な面をし、花井花子はタンゴを踊りながら雄弁な柘榴を貪り食っていた。 ああ、僕は柘榴の性器が醸す死刑そのものよりもそのもの以上の死刑を愛しながら、ミサイルが僕達の心臓を撃ち抜いた瞬間に爆破されることを望んでいるのだ。 ああ、僕達は君を壊しながら、自己破壊的インポになったとしても、それは母さんのせいじゃないと言ってくれよ。 すべては消えていく……。 僕は君を壊したい! 母さんが断首された時、僕は歓声を上げながら、ちょんぎれた首を盗人のように掻っ攫い、父さんと花井花子が空に向けて銃を乱発している間に、炭鉱のトロッコに戻った。 足跡に降りしきる雪が積もって消えていく……。 母さん、愛しているよ、愛しているよと呟きながら、母さんの柘榴の汁ように垂れる首筋の血を呑みながら、母さんにキスしてフェラチオさせたんだ。 僕は大射精! その瞬間、あらゆるミサイルが成層圏から灘岡を撃ち抜いた。 父さんも花井花子も燃え尽きた。 僕の頭の中の戦争犯罪人の死者達が語り続ける。 死んだ人たちは死んだ人たちなんだから。 すべては消えていく……。 その様子を炭鉱からずっと見ていた。 ああ、愛している! Genre Dance & EDM